『新ビジネスのアイディアを3つ』攻殻機動隊より

総合商社では常に新規事業の種を探している。

新ビジネスは様々な切り口から生まれる事があるが、今回は技術革新を元に考えてみたいと思う。

IT系を筆頭とした先端技術に明るい企業だけではなく、総合商社でも事業化出来るのでは、と思う新ビジネスのアイディアがある。

今回書いてみるアイディアは個人的に好きな攻殻機動隊という漫画/アニメから全て着想したモノ。娯楽作品として面白いだけではなく、多くの社会的課題なども投げかける良作である。ビジネスのアイディアまでも詰まっている、と私は思っている。

なので以下では攻殻機動隊の世界から着想できる、商社で取り組めるであろう、もしくは取り組んで欲しい新ビジネスのアイディアを紹介する。

攻殻機動隊の世界

 

あらすじ

まず、そもそも攻殻機動隊って何と言われる方のために、簡単に世界観を説明する。

1989年に士郎正宗氏によって生み出されたマンガで2029年以降の世界を描いている。その後日本のみならず世界的にヒットし、アニメ化映画化など多くの媒体で楽しまれている作品。

肝心の物語だが、下記にウィキさんによるあらすじを載せてみる。

時は21世紀、第3次核大戦とアジアが勝利した第4次非核大戦を経て、世界は「地球統一ブロック」となり、科学技術が飛躍的に高度化した日本が舞台。その中でマイクロマシン技術(作中ではマイクロマシニングと表記されている)を使用して脳の神経ネットに素子(デバイス)を直接接続する電脳化技術や、義手・義足にロボット技術を付加した発展系であるサイボーグ(義体化)技術が発展、普及した。結果、多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来した。生身の人間、電脳化した人間、サイボーグ、アンドロイドが混在する社会の中で、テロや暗殺、汚職などの犯罪を事前に察知してその被害を最小限に防ぐ内務省直属の攻性公安警察組織「公安9課」(通称「攻殻機動隊」)の活動を描いた物語

ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より引用


出典https://matome.naver.jp/ C 士郎正宗 Production IG/講談社 攻殻機動隊製作委員会

 

是非黙って一度アニメを観てみてほしい。レンタルならこんなに安く観られる。↓映像も音楽もかっこいい。昨年ハリウッド映画化されたが、それはまあダメだ。自信を持って言える、全然おもしろくない。

 

技術

さあここからが本題である。

攻殻機動隊にはいくつも目を引く技術が使われている。1989年に着想したとは思えないくらい、だ。2020年手前の今なら我々の世代が見ても理解しやすいだろう。むしろ、世間が攻殻機動隊の世界観にやっと追いつこうとしていると言っても過言ではない。かの携帯のiモードの開発も攻殻機動隊が参考になっているらしい。

4つ、商売になりそうな技術を紹介する。

1:義体化

現代でもどんどん技術は進歩しているが、要は義足や義手などに代表される人口の身体である。攻殻機動隊の世界ではこの技術は遥かに進んでおり、主人公の草薙などは脳みそと脊髄以外は全て義体だ。そう、サイボーグね。人間のフィジカルな能力を最大限拡張するための技術が義体化だ。


C 士郎正宗 Production IG/講談社 攻殻機動隊製作委員会

2:電脳化

脳を全て、若しくは一部分をマシン化すること。例えば攻殻機動隊の世界では脳とネットが繋げられる状態である。もちろん、通信なども可能。これ、現実世界でもどんどん近づいてるよね?携帯電話、スマホ、ウェアラブル、VR。現実社会でもテスラモーターやスペースXで有名なイーロンマスクがNeuralinkという会社を立ち上げ、電脳化事業を始めている。


C 士郎正宗 Production IG/講談社 攻殻機動隊製作委員会

3:攻性防壁 / 防壁迷路

電脳化した社会に必要不可欠である事は簡単に想像できる。要はセキュリティである。脳が電脳化しているというかは、脳をハックされるかもしれないという事。劇中では実際にそれで対象の行動を奪ったり、殺したり、という描写も描かれる。IoTが進めば進むほど、サイバー関連セキュリティの市場は広がると私は考える。


出典:http://blog.livedoor.jp/corez18c24-mili777/archives/50186305.html C 士郎正宗 Production IG/講談社 攻殻機動隊製作委員会

4:ロボット / 人工知能

これらは現代社会でも注目を集めるバズワードだ。攻殻機動隊の世界ではそれがもっと進んでいる。最新のAiboとかいうレベルでは無く、人に捨てられた野良ロボットとかでさえ存在している。また例えば思考戦車なるものも登場する。名はタチコマ。めちゃかわいいのでこれから観る人は覚悟して欲しい。きっとコレ欲しくなる。値段見てびびったけど、勇気のある人はぜひAmazonのレビュー第一号になって頂きたい。

 

3つの新ビジネスアイディア

では紹介した4つの攻殻機動隊の世界で発展している技術を元に新ビジネスを考えた。今の商社は辞めるが、商社業を何かしら続けたいと思っている私も忘れずに温めていこうと思っている。ただ、かなり雑記的に書き殴ったアイディアなので、その辺りはご容赦ならびにむしろご指導頂きたい。

1:義体・電脳の原料取扱い、及びリサイクル事業

まずそもそもどんな素材が義体や電脳に使われるか、という見定めが必要である。劇中では何かしらの金属っぽい素材だったが、鉄やアルミかもしれないし、FRPかもしれないし、炭素繊維かもしれない。はたまたSpiber(https://www.spiber.jp/about)のように新素材かもしれない。

これらの原料の取扱い、また原料以外にも義体製造の商流に商社が介入する意味は多くある。出来れば原料という川上から廃棄物のリサイクルという川下まで一貫して参入出来れば収益化の機会も必ずあるはずだ。ただ、劇中でも電脳にゴースト(いわゆる自我や意識みたいなもの)が残っているかもしれないなどの話があったが、そうなってくると、義体ならまだしも電脳リサイクルというのはかなりハードルの高いものになるだろう。

 

2:インフラビジネス

人が電脳化される事によりまず人へのIoTは完了する。それ以外にもロボット/人工知能技術の発展により、街全体そのものがIoTされることにより全てがネットで ”繋がる” だろう。ココで言う街全体とは街に存在するモノ全てという意味で、例えば下記。

  • ビル、家、店などの建造物
  • 公共交通機関
  • パーソナルモビリティ(現代でいう自動車・バイク等)

そうなってくるとすると、それら全てのインフラ創り、及びそのメンテナンスは必要不可欠になる。現代社会で言うところの三井不動産や三菱地所などの総合デベロッパーや政府と協働し、多くの関係者を纏め上げる役割を力のある商社は担えるはず。その場合の機能は情報と資金とコネだ。

 

3:セキュリティビジネス

攻殻機動隊の劇中でも頻出する、攻性防壁 / 防壁迷路がまさにセキュリティである。既に記載した通り、全てのモノはネットで繋がる。つい先日現代社会でも仮想通貨取引所のCoincheck社がハックされ600億円近い仮想通貨が抜かれた。例えば優秀なハッカーがいれば、全て自動運転化がなされている交通インフラへハッキングしテロを起こす、何なら人の電脳へ侵入し義体の制御を奪う、など全てのモノが繋がっているこそ起こり得るサイバー犯罪の脅威は無尽蔵に存在する。

そこで商売として絶対に現代社会より更に価値を持つと思われるのが、セキュリティビジネスである。商社は技術を保有しないので、開発側に立つ事は企業を買収する以外ないと思われるが、例えば、上述のリサイクルビジネスと合わせ技で考え、リサイクル電脳の完全無ゴースト化やセキュリティソフトの外販権の獲得をしてからの自動車との抱き合わせ売り、などなどセキュリティビジネスに参入する事で他の商売への広がりが見込める。

 

まとめ

今回はかなりぶっ飛び気味の話だったかもしれない。ま殻機動隊の世界は2029年を描いている。もうあと10年くらいだ。1989年にこの作品を描いたことには言葉通り脱帽だが、現代社会がようやく追いつきつつあるのではないか、と思う。

お伝えしたい内容の要約はこれだ。

  • 攻殻機動隊はおもしろい
  • 新ビジネスのアイディアはどんなとこからも見つけられる

また、アイディアを着想するだけでなく、それを本当に実現させたいのであれば、実現に向けて今出来ることを考え、足りないモノを補い、実現する未来をただ待つのでは無く自ら未来を掴みに行こうとする姿勢こそ、商人と言えるのではないだろうか。

なんてね。

 

ではまた。