ー2018年1月追記ー
それなりに読書をする。
学生の時分も社会人になった今も本は好きだ。なので、”いいな”と思っている本はいくつかあるが、今回は商社マン、若しくは商社マンになる予定の人に是非読んで頂きたい書籍を紹介したいと思う。
感動したり、ココロが豊かになったり、教養を得たり、客との話題になったり、と読書する事のメリットは商社マンにとっても必ずある。
ネットが情報取得ツールの基本となり、情報へのアクセス機会が万人にほぼ平等となったとしても、本は埋もれない、と思う。なぜならそこには作家という一人の人間が考えに考え、悩みに悩んだ結果の”言葉”や”思い”や”経験”が詰め込まれているから、ネットの海に溢れる一元的な情報以上に得るモノがあるのだ。
小説系
やはり、小説は読みやすい。私も恋愛小説だろうが、歴史小説だろうが、ばんばん読む。その中でも商社やビジネスを描いたおススメの小説を紹介しよう。世界観やイメージを醸成するにはもってこい。
不毛地帯
私が商社マンを志したきっかけになった本だ。主人公のモデルは伊藤忠に実在した人物とされている。戦後から描かれているので、少し前の商社マンが描かれているが、本質は現代の商社マンにも通じる。一番はじめに紹介しているように、商社に絡む全ての人に読んで欲しいと思う。
沈まぬ太陽
引き続き山崎豊子氏の著書。モデルは商社ではなく、JALだが単純に面白い。たくさんフライトに乗る商社マンに是非読んで欲しい。ちょっとJALが嫌いになるかもしれない。。。
エネルギー
黒木亮氏の経済小説はおもしろい。このエネルギーでは世界を舞台に資源開発を行う商社マンなどが描かれている。就職活動や企業研究をする時に思い浮かべる商社マンという職業が良くわかるのではないだろうか。
商社審査部25時
こちらも商社が舞台の一冊。他と一線を画しているのは総合商社のコーポレート部門を描いているからだ。トレーディングや事業投資に焦点が当たる事は多いが、実際は全社員の20%以上はコーポレート部門所属ということもあるので、読んでみて損は無い。
シルクロードの滑走路
航空機ファイナンス事業が描かれた小説。実際に社外の知り合いでほぼ同じ業務を担当する商社マンがいてこの本の話をした事があるが、嘘はほとんどないと言っていたことを覚えている。
ハゲタカシリーズ
これは商社マンが主人公ではないが、経済小説として面白いので紹介する。外資が日本の企業を買収していこうというあらすじではあるが、日本経済の状況や環境をリアルに描いていて、我々もこの小説の登場人物みたいに熱く仕事をしなければと思わされるシリーズである。
歴史系
商社マンが歴史?と思われるかもしれないが、確実に必要な知識だと思う。”歴史は繰りかえす”とはよく言ったものだ。また、世界を飛び回り、様々な背景の人間と商売をする機会がある商社マンには自国の歴史、世界の歴史を知っていてトクする事があっても損する事はない。教科書を読むのは疲れるので、かなり読みやすいモノのみ紹介する
歴史をつかむ技法
日本史をざっくり学べる。歴史上のイベントをいくつかの角度から見ている、つかむ、という事が大変参考になった。年号を覚える事が大切なのではなく、どういう”流れ”で日本の歴史は今日に至っているのか、大人になって改めて整理したい人にお勧めだ。
ニュースのなぜは世界史に学べ
こちらは世界史をざっくり学べる。ニュースや時事問題をトピックとしてその背景を世界史を通して説明しているような内容だ。宗教や文化についてなど、昔学んだコトが現実に今日起きている世界的な問題などに頭の中で繋がっていくのは面白い経験だ。
組織ビジョン/方向性系
ビジョナリーカンパニー
鉄板である。ビジョン関連はこれのみで良いと思う。シリーズにもなっていて2,3,4も評価は高いが、まずはこれを読もう。結局、かなり多くの人に支持されている名書というのは結局おもしろいのだ。
戦略系
儲けるためには戦略が必要だ。どんな企業やどんな組織にも戦略があると思うが、いい戦略を立てない限り、一生儲ける事は出来ない。戦略が全てではないと個人的に思う事もあるが、自分が良い戦略を立てるためにも本から学べるコトは多い。
ビジネスモデル全史
ビジネスモデルの歴史書的な感じだ。これを読んで新たなビジネスモデルを創れるわけではないだろうが(というかそんな本あったら日本中事業家だらけだ)、過去を知るという事は大切なのだ。特に学生さんや社会人なりたての人にはお勧めできる一冊。
良い戦略、悪い戦略
題名の通り、良い戦略は何か改めて学べる本である。商社マンに限らず、ビジネスに携わる人間なら誰にでも自信を持っておススメ出来る。実際に社会で商売をしている方はわかると思うが、どんな商売にも戦略があるのである。
イノベーション系
実際に私が働く総合商社でも、経営や戦略の会議になると死ぬほど使われる言葉、イノベーション。現代社会に生きるビジネスマンとしてやはりイノベーションの一つや二つ、せっかく一度きりの人生の中で起こしてみたいじゃない。という事でイノベーションの勉強をしましょう。
イノベーションのジレンマ
イノベーションって最近既に使い古されている言葉だと思う。が、実際イノベーションって何?と改めて勉強になる本が、これである。アマゾンの評価も非常に高い通り、読んで損のない本だ。
リバースイノベーション
グローバルな商売をしている人、これからする人は読んで損がない。後進国と先進国は価値観が違って当然だ。先進国で流行ったモノを後進国でも流行ると思ったら違うのである。そういったコトを学べる本。
未来に先回りする思考法
株式会社メタップスの経営者が書いた本。イノベーションはなぜ起こるか?それは”必要性”があるからだ。たまには読み直して、この本で学んだコトを忘れずに実践できるようにしたいと思わせる本だ。
お金2.0
上述の未来に先回りする思考法と同様の著者、佐藤氏の本。発売以降大変な話題になっている。これまでとこれからのお金の事について非常に良く纏められていて、大変勉強になる本。商社マンに限らず、現代に生きるビジネスマンには必ず読んで頂きたい。
マネジメント系
マネジメント系のHow To本は死ぬほどあるが、これぞ、と思われる本のみ紹介したい。人の上に立ち組織を動かす、これは経営者だけでは無く、商社マンのスキルとしても必須である。
プロフェッショナルの条件
ビジネス書といえばドラッカーと言われるほど彼の本は評判が良い。この本を読まないのは明らかに損していると思う。成果を上げるという事は社会や組織に貢献する事、という一節には非常に感銘を受けたし、私もかくありたいと思っている。
コーチングの神様が教える「できる人」の法則
悪い癖について説明されており、それを直す事ができる人になるという。マネージャーには勿論の事、どんな人が読んでも”良い人間”になるためには勉強になる大変いい本だ。くそみたいな上司には4000回くらい読んで欲しい本。
マインド系
非常に難しいが心持ちというのは大事だと思う。商社マンとはいえ、大きな組織の一員であり、悩みも多い。一つ一つの仕事も日々の活動もマインドがくさってると何にも楽しくない。逆にちょっとやそっとの悩みやつらい事もココロが健康で前向きならプラスに変えていける、と少しくさいことを言ってみる。読んでみてください。
7つの習慣
あまりに有名な7つの習慣だが、このマンガ版でも十分なんじゃないかと思う。実は私はマンガ版はまだ読んだ事がない。評価も高そうだし、むしろ読んでみて感想教えてください。自己啓発系の古典とアマゾンのレビューで書かれていたがその通りだと思う。イイものはイイものだ。是非一度は一読を。
愛するということ
え、急に恋愛系?と思われるかもしれないが、まあそうではない。商社マンたるもの愛があふれていてナンボだ。人を愛し人に愛される、こんな商社マンで常にありたいと私自身も強く思う。結局商社マンは自分が商材なんだし。少々心理学、哲学っぽい話だが分かり易く説明されているのでご安心を。
その他
ノンデザイナーズ・デザインブック
まったく商社マンに関係ないやん。と仰った皆さん、そんな事はないので、デザインの事も取り敢えずこの一冊だけで良いので読んでみましょう。総合商社を辞め、地域活性化を目指す事にした小生は色々と今まで知らなったことを知ってみたいと思うようになった時に手にした一冊。すぐれたデザインというのにはルールがある。それはあなたのうるさい上司や顧客を納得させるために作るパワポスライドにも活きてくるのだ。デザインとは人生において有効だと思う。
雑誌:BRUTUS、BRUTUS CASA
これこそ商社マンに関係ないやん、と仰った皆さん。そうですねこれはさすがにあまり関係ないかもしれません。ただ、一つ言える事はここまで毎月特集内容がばっらばらなのにも関わらず、雑誌として成立しているBrutusは中々すごいと思うのです。総合商社も良くラーメンからミサイルまで扱うとか色々言われますけど、その点似てません?まあちょっと無理やりだがいい雑誌。この雑誌のように多くの引き出しがあるビジネスマンになりたいと思う。
まとめ
今回は商社マン、もしくは商社マンを目指す人に読んで欲しいと思った本を紹介した。読書は数千円で得られる対価としては非常にリターンが大きいと思っている。勿論、ハマる本の場合のみだ。アマゾンで☆☆☆が多くても合わない本もあれば、100円セールでジャケ買いした本が人生を変える事もある。
あと、大事なコトは本を読んだだけでは何も変わらないという事実だ。
本を読み、何かを感じて何かを学んだなら、それを自分の人生で実践しなければ意味が無いということだ。しかも人は忘れやすい。何か感銘を受けて、よし、僕も明日から!と意気込むが、1か月はもう元の生活に戻っていることが多いだろう。私も多分にそうなってしまう。
世のおもしろい人やかっこいい人はきっと読書から得たモノをしっかりと自分のモノに出来ているのだろう。
自分もそうなれるように頑張ろうと思う。
ではまた。
コメントを残す